この記事は Andy Johns による A Post Mortem on Growth Hacking, 2019年10月 の翻訳記事です。記事の後半に簡単な感想を書いています。
A Post Mortem on Growth Hacking
Growth Hacking への関心が低下しています。完全になくなってしまうのでしょうか? 私はそうは思いません。また、そうあるべきとも思いません。 ただ、あらゆるスタートアップ(大企業でさえも!)にグロースハッカーを探すように駆り立てたかつての熱狂は落ち着いてきています。そして、それは良いことだと思っています。
2010年、Sean Ellis という優秀なテックマーケターが「Growth Hacking」という言葉を生み出しました。同じく優れた技術者であり、現在a16zのパートナーである Andrew Chen は、グロースハッカーの役割を 「New VP of Marketing」とした投稿 で追随しました。それと並行して、2007年から2008年にかけて、最も早くに最も成功したグロースチームを持つFacebookやLinkedInのような企業は、当時あまり知られていないグロースチームの強力な効能について 主要メディアで注目されました。短期間のうちに生まれた グロースハッカー現象 は、まるで予定されていたかのように、テクノロジー業界全体に山火事のように広がっていきました。現在では、グロースハッカー・ブートキャンプや大規模なカンファレンスが開催されています。私はそのうちのいくつかに喜んで参加しました。
しかし、グロースハックが世に出てからそれほど時間が経たないうちに、「グロースハック」が誤解釈・誤用されるようになりました。人々はグロースハックについて語り、まるで万能薬のようにグロースハッカーを採用しました。数ヶ月後、彼らは消費者が関心を示さないプロダクトを最適化(ハック)し、危険なほどに資金が不足し、興味を持つ投資家や買い手がゼロであることに気づきました。近年、こういった事例がいくつかあります。かつて動画版のInstagramと言われたViddyは、一時的にFacebookのニュースフィードで注目を集めたおかげで、数千万人の月間アクティブユーザー(MAU)を達成しました。彼らは数億円の評価額で資金調達しましたが、成長と資金調達がピークに達した直後にクローズしました。プロダクトが有用でなかったため、チープで一時的なバズりはたくさんあったものの、ユーザーのエンゲージメントがほとんどないことが判明したからです。
今までに、何百・何千ものスタートアップが、望むほどグロースハック的な考え方がブレイクアウトにつながらなかったと感じていると思います。ですから、グロースハックに対する興味は落ち着き始めているように思います。たしかにそんな気がします。幸いなことに、これらはデータで検証することができるでしょう。
Google Trendsの検索クエリデータは、グロースハックへの関心度を表すシンプルな代理指標となります。以下は、過去数年間の「Growth Hacking」というキーワードに対する全世界の検索クエリの関心度です。全世界のクエリデータを見ると、健全な右肩上がりのトレンドが見られますが、特に昨年は減速していることがわかります。
https://miro.medium.com/max/1400/0*ms-Udrz13QKQGiEy
クエリデータを国別にみてみると、話はもう少し面白くなります。以下は、米国での検索クエリデータです。